確定申告はどうすればいい?
必要な条件や申告方法について解説
収益が発生すれば、確定申告が必要です。ただし、状況によって確定申告の必要性や具体的なやり方は異なります。この記事では、確定申告とはどのようなものか示したうえで、申告のやり方やポイントを解説します。
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- EC物販の利益に対する確定申告の必要性
- 確定申告とは?
- 「せどり」と確定申告の関係
- せどりで確定申告が必要になる条件
- 確定申告が必要な場合
- 確定申告が不要な場合
- 確定申告をした場合としなかった場合の比較
- 確定申告をした場合
- 確定申告をしなかった場合
- 脱税になる
- 無申告加算税や延滞税が発生する
- 確定申告では青色と白色のどちらを選んだらいい?
- 確定申告の青色と白色とは?
- 青色申告と白色申告のメリット
- 青色申告のメリット
- 白色申告のメリット
- 青色申告と白色申告の注意点
- 青色申告の注意点
- 白色申告の注意点
- 青色申告と白色申告のどちらを選ぶ?
- 確定申告のために押さえておきたい計算方法
- 売上の計算
- かかった費用の計算
- 所得の計算
- 確定申告の時期や申告先
- 確定申告の時期
- 確定申告の申告先
- 所得を確定申告する際の流れ
- 必要な書類を集める
- 申告書を作成する
- 申告書を提出する
- 確定申告のやり方のパターン
- 自分で確定申告する
- 税理士に確定申告を依頼する
- 確定申告すると会社にバレる?
- 海外へ販売した場合の確定申告のポイント
- まとめ
EC物販の利益に対する確定申告の必要性
ここでは、確定申告の概要とともに、せどりとの関係性を解説します。
確定申告とは?
確定申告は所得税を計算したうえで税務署に申告し、税額を確定するための手続きです。確定申告をした後は、確定した税額を納める必要があります。 この記事で解説しているのはあくまでも一般的な内容であるため、実際に確定申告する際は最寄りの税務署や税理士に相談してください。
「せどり」と確定申告の関係
せどりを別の言葉に言い換えると、ネットショップにおける商品販売や中古品の販売などにあたります。これらの商売で一定以上の所得を得れば、確定申告が必要です。
せどりで確定申告が必要になる条件
物販を行っていても、確定申告が必要な場合もあれば不要な場合もあります。ここでは、それぞれの条件を解説します。
確定申告が必要な場合
物販で発生した所得について確定申告が必要になる条件は、副業の場合と専業の場合で異なります。副業で行っているのなら、確定申告が必要になるのは年間の所得が20万円を超える場合です。一方、専業で行っているのなら、年間の所得が48万円を超える場合に確定申告が必要となります。2020年から基準が変更されているため注意しましょう。
なお、収入から所得を差し引いた金額を所得といいます。所得の具体的な計算方法は後述するので、そちらを参考にしてください。
確定申告が不要な場合
基準以下の所得しか得ていない場合、確定申告は必要ありません。ただし、所得に関わらず確定申告が必要な人もいるため注意が必要です。たとえば、本業の勤務先から得ている年収が2000万円を超えている人や、2箇所以上の勤務先から収入を得ている人は確定申告が必要です。
確定申告をした場合としなかった場合の比較
確定申告をした場合としなかった場合を比べると、どのような違いがあるのでしょうか。具体的に解説します。
確定申告をした場合
確定申告では、かかった経費を計上できるため、税額を決定する基準となる所得を減らせます。経費を漏れなく計上すれば、節税に効果的です。また、赤字が発生しているなら確定申告は必須ではないものの、確定申告しておけば次年度以降に発生した黒字と相殺し、節税につなげられる可能性があります。
確定申告をしなかった場合
確定申告をしなかった場合、さまざまな問題に発展する可能性があります。以下で詳しく解説します。
脱税になる
確定申告をせず納税もしなければ、脱税になります。脱税は刑法による処罰の対象であり、重大な犯罪です。それほど所得が多くないとしても、基準を超えていれば必ず納税が必要です。税務署が税務調査を行えば、脱税の事実はすぐにわかってしまいます。脱税は社会的信用を大きく低下させる原因になり、本業の勤務先から解雇されるリスクもあります。
無申告加算税や延滞税が発生する
期限までに確定申告や納税を済ませなかった人には、無申告加算税が課せられるため注意が必要です。無申告加算税は、税額の50万円までは15%、50万円を超える部分には20%がかかります。ただし、期限後でも税務署から指摘を受ける前に自主的に申告すれば、無申告加算税の割合は5%となります。
また、期限の翌日から納付するまでの日数に応じて、延滞税も納めなければなりません。時間が経過するほど延滞税は高額になっていくため、気づいた時点で早めに納税することが重要です。
確定申告では青色と白色のどちらを選んだらいい?
確定申告には青色と白色があります。ここでは、物販の確定申告でどちらを選べばよいか解説します。
確定申告の青色と白色とは?
青色申告とは、取引の内容を複式簿記で帳簿へ記録し、確定申告で所得を申告する方法です。青色申告をするには事前に税務署へ申請書類を提出し、所得が事業所得に該当することを認めてもらう必要があります。
一方、白色申告は、取引の内容を単式簿記方式で帳簿に記録し、確定申告で所得を申告する方法です。白色申告をするための手続きは特に必要ありません。青色申告の手続きをしていない人は、基本的に白色申告を選びます。
青色申告と白色申告のメリット
青色申告と白色申告を比べると、両者にメリットがあります。以下ではそれぞれ解説します。
青色申告のメリット
青色申告には65万円の特別控除があるため、所得が65万円以下であれば所得税が発生しません。所得控除になる金額が多いので、所得が多い人も節税に役立てられます。また、青色申告を選んでいれば、赤字を最長3年間繰り越せます。次年度以降で黒字が発生しても相殺できるので、税額を抑えることが可能です。
さらに、青色申告には経費の特例が複数あります。たとえば、家族を従業員にすれば、給与を経費に計上できます。
白色申告のメリット
白色申告に必要な記帳は青色申告よりも簡単なため、会計や簿記の知識がない人でも自力で対応できる可能性があります。所得がそれほど多くなく、手間をかけずに確定申告を済ませたい人には白色申告が向いています。
青色申告と白色申告の注意点
青色申告と白色申告には、それぞれ注意点もあります。以下で具体的に解説します。
青色申告の注意点
青色申告を選んだ場合、取引の内容を複式簿記で記帳しなければなりません。複式簿記は複雑なため、会計や簿記の知識がない人にとっては難しく感じられる可能性があります。初めて青色申告で確定申告する際は、早めに準備を整えておいたほうが安心です。
白色申告の注意点
白色申告は経費として認められるものが少ないため、節税効果は低めです。青色申告のような特別控除もないので、所得が多ければ税金も高くなってしまいます。
青色申告と白色申告のどちらを選ぶ?
白色申告は簡単に記帳できる反面、節税につながりにくいので、物販でまとまった利益が出るようになれば税額も割高になります。一方、青色申告で正しく計上すれば高い節税効果を得られるようになるため、青色申告のほうがおすすめです。
確定申告のために押さえておきたい計算方法
確定申告をするには、売上や所得の計算方法を理解しておく必要があります。以下では、それぞれの計算方法を解説します。
売上の計算
売上は「商品単価×数量」で計算します。単価が異なる商品を複数扱っている場合は、商品ごとに計算しましょう。たとえば、1万円の商品が9個、5,000円の商品が2個売れた場合を計算すると「(1万円×9個)+(5,000円×2個)」となり、売上は10万円であるとわかります。
かかった費用の計算
経費とは、商品を売るためにかかったコストのことです。たとえば、商品を搬送する際にかかったガソリン代、購入者とやり取りするためのインターネットの通信費、発送時に使用する梱包材の代金などが経費に含まれます。
また、物販や越境ECの勉強をするための書籍代も経費に計上できます。なお、商品の仕入れにかかった費用は経費ではなく、売掛金として処理するため注意しましょう。
所得の計算
所得は「売上ー必要経費」で計算します。たとえば、売上が10万円あり、せどりのためにかかった経費の合計が6万円だった場合、「10万円ー6万円」の計算により所得は4万円だとわかります。売上が高額になってもかかった経費のすべてを正しく計上すれば、その分だけ所得を下げることが可能です。
確定申告の時期や申告先
確定申告はいつどこで行えばいいのでしょうか。ここでは、確定申告の時期と申告先について解説します。
確定申告の時期
確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までに行います。ただし、3月15日が土曜日、日曜日、祝日の場合、期限日はその翌日となります。なお、確定申告だけでなく、納税までを期限日までに済ませなければなりません。
確定申告の申告先
確定申告は、基本的に住んでいている地域を管轄している税務署に対して行います。確定申告についてわからないことがあるときも、管轄の税務署に問い合わせれば相談に乗ってもらえます。確定申告の期限が近づくと混み合うため、なるべく早めに確認しておきましょう。
所得を確定申告する際の流れ
ここでは、得た所得を確定申告する際の流れを解説します。なお、ここで示すのは2020年12月時点の情報です。
※参考:申告手続の流れ|国税庁
必要な書類を集める
仕入れなどでお金を支払ったときは、その証明となるレシート必ず保管しておきましょう。基本的に、仕入れや経費などに関するすべてのレシートが必要です。また、特定の控除を受けるためには、それぞれの証明書も必要です。
たとえば、医療費の領収書や寄附金の受領証など、必要に応じて用意してください。なお、確定申告を行うためには、日々の取引の内容について帳簿につけていることが前提となります。
申告書を作成する
会計ソフトを使って帳簿をつけておくと、その内容をもとにして申告書を簡単に作成できます。申告書にはAとBがありますが、確定申告をするときは基本的にBを使用すれば問題ありません。第一表と第二表があり、それぞれの欄に必要な情報を記載していきます。
申告書を提出する
申告書の提出方法は、3種類にわかれています。1つ目の方法は、郵送で提出する方法です。返信用封筒や切手を同封すれば、控えを返信してもらえます。2つ目の方法は、作成した申告書を税務署の受付へ持参する方法です。早朝や夜間は、時間外収受箱に申告書を提出できます。
3つ目の方法は、e-Taxを利用してインターネットで提出する方法です。「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、パソコンやスマートフォンなどから送信します。
確定申告のやり方のパターン
自分で確定申告する
会計や簿記の知識がある人や、以前にも確定申告をしたことがある人は、せどりの所得について自分で確定申告することも可能です。帳簿付けや書類作成もすべて自分で行えば、余計なコストをかけずに確定申告を済ませられます。ただし、その場合は確定申告の作業に時間を割かなければなりません。
また、正しい知識がないと処理を誤るリスクもあるため、注意しましょう。
税理士に確定申告を依頼する
確定申告は税理士に依頼する方法もあります。税に関する専門家に依頼すれば、確定申告を正しく済ませられるので安心です。確定申告にかかる手間や時間も最小限に抑えられるため、その分せどりのための作業に専念できます。ただし、税理士への依頼料を毎年支払わなければなりません。
確定申告すると会社にバレる?
確定申告で所得を申告する際は、住民税に関する事項についても申請します。住民税の給与からの天引きを選択した場合、せどりを含めた所得で住民税が計算され、勤務先に通知されます。勤務先が把握している住民税の金額と差があれば、副業している事実がバレるため注意が必要です。副業していることを知られたくない場合は、住民税を自分で納付しましょう。
海外へ販売した場合の確定申告のポイント
輸出転売で海外へ商品を販売した場合は、消費税が免除されます。仕入れの際に消費税がかかったなら、申告により還付を受けられます。ただし、消費税が免除されるのは、前々年の課税売上高が1,000万円を超える消費税課税事業者だけです。条件に合致する場合は、忘れずに申告しましょう。
まとめ
物販で一定以上の利益が出た場合、確定申告と納税が必要です。さまざまなルールがあるため、正しく申告できるように準備しましょう。なお、この記事で触れているのはあくまでも一般的な内容であるため、実際に確定申告する際は最寄りの税務署や税理士に確認してください。
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